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合唱指導(心意気編)

 昼休みに上の階の教室から合唱練習の声が聞こえてきました。いつの間にか、夏から芸術の秋、合唱コンクールの秋になりつつあります。

 私は合唱の指導が得意です(^^)。数学の先生なのに…、ギターやピアノ等できるわけでもないのに…、今までの人生でも音楽に触れるのはカラオケくらいなのに…です。

 どんな指導をするのか…その一部を書いた通信を紹介します。

計算練習?

 突然ですがクイズです。

第1問(1を四十回すと?) 1+1+……+1+1=?
第2問(1/10を四十回たすと?) 1/10+1/10+……+1/10+1/10=?
第3問(1と-1を交互に四十回たすと?)
          1+(-1)+1+(-1)+1+(-1)+…=?

 第1問の答えは、40です。
 第2問の答えは、40/10 すなわち4です。
 第3問の答えは0です。

 第1問は、合唱の際、一人ひとりが「1」の力を出した場合の計算です。40人いれば、40の力が出るわけです。
 第2問は、自分の持つ力の1/10の力しか出していない人たちが集まった場合の計算です。
 第3問は、半分の人が「1」の力を出していて、残りの半分の人がしゃべったりふざけたりしている場合の計算です。

 昼休み、合唱練習が行われていますが、今のあなたたちのクラスの合唱練習の現状はどれでしょうか?

 ところが合唱にはさらに上の状態が存在することを私は知っています。
 40人の声が40人以上の力を出す状態を過去、なんども見てきたからです。

「まず1人が大きな声で歌うと、周りが歌い出す。だからまずその1人目になったらいい」と心に決めて合唱をひっぱる人がいると、「おっ!となりのあいつが大声で真剣に歌いよる。よーし、俺も」ってなるのです。友だちのがんばりに勇気をもらうってことが起こるのです。すると1+1+……+1+1=40よりも大きな力を、互いに引き出せるようになっていきました。
 たぶんあなたたちはもうこの状態にまで持って来てるに違いない?…ですよね。

 以前勤務した学校では、体育会のときのブロックで、1~3年生で合唱練習をしていました。
 へたなクラスによくありがちな、「隣の人が声を出さないから、自分だけ出すのは恥ずかしい」という思いが歌に表れるってことを、3年生がビシバシ指摘していました。

 ○中 3年生のあなたたちは全力で、そして全員で、歌えていますか?
 前から見ていると、そのことはよくわかります。
 自信を持って歌えている人は、指揮者をまっすぐ見つめ、口を大きく開けているからです。
 視線が泳いでいる人、口の開け方が小さい人、恥ずかしそうにとなりの人と見合ってニヤける人…すべて自信のなさの表れですね。
 今度、練習を前から見せてもらおうかな~(笑)

しかし、全力で歌えないのは、恥ずかしがりってだけが原因ではありません。

  • まだ歌詞をしっかり憶えていない。
  • まだ音程をしっかり憶えていない。
  • 声を出せない人が数人集まっていて、お互いがブレーキをかけあっている。

 もしあなたたちのクラスがこの段階だったとしたら…
 これらは、パート練習で克服できます。

 ちなみに、私は合唱について技術的な指導は全くできません。
 でも過去のもへちゃん組の人たちには

「歌い始めに、まわりが声を出すかなんて考える時点で負けだ。そんなことしてたら一拍遅れて、歌に力がなくなる。『まわりも必ず大声を出す』それを信じて、まずは一人で闘え。」

と言ってきました。

 体育会であなたたちが創った「○中魂」は
『みんなが目標を達成する』ことを、最後の最後まであきらめない』
でした。
 ここでいう「目標」については、学年だよりミニ3号に書きました。体育会だけにしておくのはもったいないので、改めて書きますね。

 

 自分だけ、達成感を味わってもダメってことです。
 仲のいい友だちどうしだけで、達成感を味わってもダメってことです。
 クラス40人いれば、40人で達成感を味わわなきゃダメってことです。当日お休みの友だちにも達成感を味わわせるために何ができるかを悩んで実行しろってことです。
 学習室の仲間も、達成感を味わわなきゃダメってことです。
 下級生のクラスで仲間割れが起こるかもしれない。「そんなんじゃダメだ。全員で感動できなきゃ」と話し込まなきゃダメってことです。
 誰一人、見捨てちゃダメってことです。

 

 誰一人見捨てないクラスを求めるならば、誰一人疑うことなく信じて歌いましょう。そのためには、まずはパート練習です!

 

 ハイキュー!!というバレーボールの漫画でも同じようなことが描かれています。

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 セッターである影山くんとアタッカーである日向くんは、10+10=20ではなく「お化け速攻」という信じられないほどの速さの速攻で10×10=100の力を発揮します。

  でもフィクションのバレーボールの漫画ではなく、現実の世界の合唱コンクールでは、

  • 子どもたちの力を1+1+…=40発揮させるのか
  • 1/10+1/10+…=4発揮させるのか
  • 1+(-1)+…=0になってしまうのか
  • それとも40以上の力を発出させるのか、

 それは担任の先生、あなたの言葉かけにかかっていると思います。

 

 具体的な指導法、書いてないじゃないか!期待してたのに…(=_=)、とがっかりしたあなた(小中学校で先生をされているあなた、合唱リーダーしてる現役中高生のあなた、地域の行事等で子どもたちを指導されている保護者のあなた…)明日こそ期待してください(^^)