もへちゃん先生の学級通信の資料置き場

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『学び合い』と「受験は団体戦だ」

 学級通信や学年通信には、「発行するのに効果的な時期」がある内容の通信があります。

 ふだん「月行事と一言コメント」くらいしか通信を出していない方にはわかってもらえないかもしれません。

 この時期の中3生だと、三者面談の時期だからこそ、受験勉強について書きます。

 読み手を意識して、読み手が「あ~ね」と納得したり、「え~」と驚いたり、「やばいっ」と心配したり…心を少し動かすような通信を書きたいと思います。

 その内容は、クラス担任が、帰りの会で、この時期に語る話とさほど変わりません。

 けれど文字にすることで、子どもの視覚に訴えられるし、読むことで聴覚に訴えられます。ただ話すだけの2倍の刺激です。

 さらに、保護者への啓発にもなり得ます。

 そこで今回も中3生の三者面題の時期に発行した2018年11月27日の通信を紹介します。

受験だって団体戦

 昨年の今頃、「受験だって団体戦だ」というコマーシャルがあってました。
 ウィダー in ゼリーのコマーシャルです(笑)。普段コマーシャルって15秒だけど、私が見たこのコマーシャルは30秒くらいあったので印象に残りました。

 さて、私はこの「受験は団体戦」という言葉を、自分自身の経験から「本当やなぁ」と実感しています。


 もうかなり前、中3の担任をしていたころの話です。
 そのとき勤務していた学校はあまり落ち着いていませんでした。日本の至るところで中学校が荒れていましたから、そういう時代だったというべきでしょうか。
 となりのクラスのAさんもその一人でした。

 「まじめになんかやってられるか」と授業中は私語をしたり、立ち歩いたり…。
 当然、一人でそんなことはできません。相手が必要です。
 だから彼は友だちにも「おまえ、なんで真面目にしよるとか。かっこわる」と話し、日々をおもしろ楽しく送りました。
 「勉強なんて、めんどくさいことやってられるか」という言葉や、やりたい放題に過ごすAさんの姿は、受験勉強から逃げたいまわりの生徒にとても魅力的でした。そして、授業も受験勉強もいいかげんにする生徒がだんだん多くなっていきました。

 でもAさんは、学校から帰ると塾に急行していました。そして放課後から夜にかけて長時間、勉強にとりくんでいました(当時は塾に行ってる生徒はそんなに多くなかったのです)。
 担任の先生や、私も含めたいろんな先生が彼に話し込みましたが、「となりの席のやつも受験ではライバルなんだから、蹴落として何が悪い。油断して勉強しないやつが悪いんだ」と聞こうとしませんでした。

 そのまま受験の日が来て、卒業式、そして合格発表。
 Aさんは…不合格でした。もちろんまわりの多くの子たちも。

 彼が志望した高校は大学進学率の高い、いわゆる「難しい高校」でした。
 そこに合格したい他の中学校の人たちは、夜はもちろんとことん勉強していたし、授業中も、昼休みもとことん勉強して受験に臨んでいました。
 授業中、友だちを油断させるために勉強をしないふりをしていたAさんは、他の中学校の人に比べると毎日6時間、損をしていたわけです。
 さらに、勉強しないふりをしていたAさん自身が、勉強しない周りの人たちを見ながら「俺はいっぱいしてるから大丈夫だ」と油断したのです。

 「ライバルとは蹴落とす相手ではなく、互いに高め合う相手だ」ということを、当時の私はAさんにわからせることができませんでした。

 昨年の今頃に見たコマーシャルは次のような言葉でしめくくられていました。

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「受験は個人戦だ」なんて本当だろうか?
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違う!     私たちは変わらない変わらない
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孤独な闘いなんかじゃない
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苦しい時、支え合い
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嬉しいとき、分かち合い
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一緒に闘う冬が始まる
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受験は団体戦

 受験は孤独な戦いなんかじゃない。苦しいとき支えあって、うれしいとき分かちあって、一緒に闘う冬がはじまる。受験だって、団体戦だ。

 

 文科省が「思考力・判断力・表現力」の育成を前面に打ち出してきましたが、それらをいう以前から私は『学び合い』の考え方で「思考」や「判断」や「表現」をとことん授業中に反映させてきました。

 私の授業では、どんどん立ち歩いて、どんどん教え合うことを推奨していますので、いろんな場所でコミュニケーションの輪が生まれます。

 よく「教え合い」の授業では「学力の高い子の力を伸ばそうとしていない」と言う方がいらっしゃいます。

 私の授業では、学力の高い子は、学力の厳しい子に説明する場合、難しい言葉で説明してもわかってもらえないので、相手の理解している程度を類推して、その子に合うレベルの内容や言葉に自らの理解を変換して話しています。とことん表現力を鍛えさせてもらっているわけです。

 以前、指導主事(先生を指導する人)は「学力保障とは、能力別分割授業です」と言われていましたので、私のやり方はお気に召さず、たくさんの批判をいただきました。だって私の授業では、学力が低い子も高い子も、いろんな子がたくさんいた方がいいのですから。

 その後、文科省が「アクティブ・ラーニング」や「主体的、対話的で深い学び」と言い出すと、指導主事たちは、手のひらを返して、ラーニングピラミッドの図を用いて、「他人に教える行為は、学習定着率が高まる」と言い出しました。

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ラーニングピラミッド… あーやんさんによるイラストACからのイラスト

 では文科省も認める「受験は団体戦だ」

 どうぞ、あなたが学校の先生でしたら、クラスの子どもに、堂々と胸を張って語りましょう。

 あなたが小中高生の保護者であるなら、我が子に、堂々と胸を張って語りましょう。

「人をどんどん助けよう。人とどんどんつながろう。いずれその力は、あなた自身の得になるから」