最近、深夜アニメやNHKのドラマで「おぉ、これって通信のネタに使える」と感じたことが2つありました。いわゆる「時事ネタ」です。
時事ネタですので、アニメが終わってしまったり、ドラマが終わってしまうと、ネタの持つ力がダウンします。
大事にとっていたのですが、発行する機会がなさそうなので、記録に残すという意味でブログに書いておくことにしました。
ということで今回紹介する通信は、まだ未発行ですので、「これは使える」と感じた方はどうぞお使いください(笑)
参りました
長く先生をしていると、私より教え方が上手な生徒に出会います。『学び合い』の考え方で授業するようになって、そのことにより多く気づくようになりました。
例えば10÷xを分数の形に表す際、


のどちらなのか悩む子がいます。
正解は
です。
私が教える場合は
「10÷2を考えてみて。答えは?」
「5」
「そう5やね。でも暗算で答えを出すんじゃなく、分数で答えを出すとしたら


のどちらかな?」
「そう、2が下・分母に来て、10が上・分子に来るのが正解。だから最初の問題もxが分母で、10が分子に来るわけ」
って感じです。
数年前、中1の数学の授業で、Aくんがこの問題を友だちに
「ガチャガチャしたことある。あんなふうに10とxを回すといいとよ~」
と教えてました。
教えてもらった子は
「あぁわかったぁ」
と喜んでいました。
参りました。
つい最近も「参ったなぁ」と感じたことがありました。
今回は授業ではなく「この音とまれ」というアニメ(和楽器の1つ・箏をテーマとした学園アニメ)です。
その15話「きづき」で、箏曲(そうきょく)部に入っている愛(ちか)と3人の友だちが、「夏休みの宿題が終わってなければ学祭に出してもらえない」と言われ、宿題を終わらせるために、勉強のできる親友・高岡の家で合宿をします。
しばらくすると4人は数学の方程式でつまずき
と文句を言い出しました。
すると高岡くんは
と愛たちの心に訴えました。
愛たちは中学時代ケンカに明け暮れる毎日でした。しかしその分、仲間を思いやる気持ちが強かったから、この言葉は彼らの心に響きました。
そして
と勉強し始めたのです。
私は授業中に「仲間を誰1人見捨てるなよ」と何度も言います。だから愛たちの「俺はお前をあきらめない」という台詞にビビッと惹かれました。
「専門家の説明はわからない」というのは多くの人が経験していると思います。残念ながら学校の授業でもこれは当てはまります。
先生の説明を全ての子がわかっているなら、みんな100点です。しかし現実は違います。わかっている子は半分いるでしょうか?
もっと少ないかもしれません。
また全ての子が意欲満々で授業をうけているでしょうか?
残念ながらそうではありません。
Aくんや高岡くんのような子がいると私は「参りました」と感じます。
ラッキーなことに『学び合い』の考え方で行う授業は、Aくんや高岡くんのような子が活躍しやすい授業です。
私が「参りました」と言う回数が多ければ多いほど、子どもたちの表現力が伸び、子どもたちのつながりができているのだと思うと、もっともっと「参りました」を言いたくなります(^^)
アニメ「この音とまれ」を通信に出すよりも、もっと素敵な読み物があると言われる方もいらっしゃいます。二宮金次郎の話とか?晋の車胤(しゃいん)の「蛍雪」の話とか?
でも道徳の教科書のような文章を読む子が半分いるでしょうか?
授業と同じですね。
そして私は、学力の高い子だけが読む通信では満足できません。
だから、子どもの現状にピタッとはまって、多くの子が共感できるそんな通信を書きたいと思います。