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ハロウィンに見る「匿名性」と、生徒会活動

 今年(2019年)の渋谷のハロウィンは9人が逮捕されたと報道されていました。

 2018年は13人。

 「1億円かけて4人しか減らなかったのか」とワイドショーで誰かが言ってましたが、何もしなかったら13人を上回って、来年、再来年とどんどんエスカレートしたんじゃないかなって私は思います。

 そんなハロウィンのニュースは、ドンピシャな通信ネタ、いわゆる「時事ネタ」ですね。

 ということで、今のところ、過去最高の逮捕者を出した2018年11月1日に発行した学年通信を紹介します。

ハロウィン

    朝食を摂りながらテレビを見ていると、渋谷のハロウィンのニュースが流れていました。

 10月31日のハロウィンを前にした週末、東京・渋谷に集まった群衆が一部暴徒化し、逮捕者が出る事態に発展した。
インターネット上には、イタズラでは済まされない愚行が次々と投稿され、「今後の規制につながりかねない」と危惧する声が溢れ返った。

 渋谷での喧騒はこれまでにも、ゴミの不法投棄などが問題視され、相次ぐ違法行為やマナーの低下に地域住民から批判の声が上がっていた。
 過去には「DJポリス」の活躍も話題になったが、今年は渋谷区が周辺店舗に瓶入りの酒類販売を自粛するよう要請するなど、事前対策を講じてハロウィン直前の土曜日を迎えたが、効果はまったくなかったようだ。
 日付をまたいだ28日午前1時頃、センター街で立ち往生した軽トラックを群衆が力づくで横転させる事件が発生。直前から半裸の男性が荷台に飛び乗るなど“やりたい放題”で、動画が拡散されると「渋ハロ終わってるな」「完全に群集心理の暴走。止めようものなら命にかかわりそう」「どこの国の騒乱だよと思ったら日本ってマジか」「終末映画とかのパニックに陥った群衆シーンかと思った」などとあきれ返る声が続出している。

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 元々のハロウィンは、仮装した子どもが家々をまわり

Trick or Treat?”

(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)
と言い、言われた方は

”Happy Halloween”
とこたえてお菓子をあげるものらしいです。

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イラストACより

 それなのになぁ… 
 とても残念なニュースです。

 このニュースを見ながら、「なんだかインターネットの中での差別書き込みと似てるなぁ」と私は感じました。

 インターネットはとても便利です。調べたいこともすぐに調べられるし、遠く離れた人ともつながれます。
 以前、千葉の先生と共同で本を書いた時も、週に1回「Skype」でテレビ電話をしながら、時にはそのテレビ電話会議の中に編集者さんも入って、作り上げていきました。
 「なんとすごい時代なんだろう」とつくづく思いました。

 けれど一方でインターネットの世界には「匿名性」をいいことに、人を傷つける書き込みが大量にあります。
 ふだんは人の目を気にして口に出さないような言葉を、平気で書き込み、それに呼応するかのように、別の人がさらに悪意むき出しの書き込みをしています。

 渋谷のハロウィンでは、

  • 楽しいから人がたくさん集まる
  • いろんな人と出会える

という良さの反面

  • 仮装しているから自分が誰だかわからないと思って、人に迷惑をかけるのが平気になる
  • 迷惑かけることを面白がる集団があちこちに出現する

という現象が起きています。
 私はこの「良さと悪さ」がインターネットの世界とよく似ていると感じたわけです。

 「匿名だから」、「仮装しているから」と、人を傷つけたりやりたい放題することは、「良さ」そのものを手放す結果になっていきます。

 これは何もインターネットの世界だけでなく、現実にも起こっています。
 次の文は大濠花火大会中止の理由を書いた西日本新聞の記事の一部です。

 規制に反して入場しようとする方、出入り口以外から会場に侵入を試み、負傷して病院に搬送された方もいました。
 園児や児童が大切に育てていたヒマワリ花壇が観覧者に踏み荒らされるという痛恨の出来事は、会場の収容人員をはるかに超える観覧希望者が殺到している現状の一端だったとも言えます。

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 花火大会を運営する人たちは、それまでにも交通渋滞解消にとりくんだり、安全のためにたくさんの警備員を置いたり…と問題を解決するためにたくさんの工夫を続けていました。
 けれど園児たちが大事に育てたヒマワリを踏み荒らした人がいた…このことが大濠花火大会を中止に追い込んだ決定的な出来事でした。

 インターネットの世界でも、現実の世界でも、自分たちの幸せを作っていくためには人権感覚豊かであらねばならないのです。
 自分だけが気持ちよければ、人を傷つけてもいいと勘違いしている限り、日本の社会は幸せになれません。

 「自分もよし、他人もよし」…私の座右の銘の一つです。

 

 2019年も大濠公園花火大会は開催されませんでした。

 佐賀インターナショナルバルーンフェスタも、心ない一部の人のふるまいで、2018年はオートキャンプが禁止になりました。(2019年は、キャンピングカー優先かつ自己責任という限定付きですが、キャンプ可になりました)

 以前書いた「無言清掃に感じる不安 - もへちゃん先生の学級通信」で紹介した2014年、内閣府が調査した「今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの」には「社会現象が変えられるかもしれない」という調査項目があり、次の図のような結果が出ました。

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2014年内閣府調査「今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~」より

 図を見ればわかりますが、内閣府は「社会問題への関与や自身の社会参加について,日本の若者の意識は諸外国と比べて,相対的に低い」と分析しました。

 

 一方で社会規範について調べた結果は 

図表6 社会規範

 「諸外国の若者と同程度かそれ以上に,規範意識を持っている。」と分析しました。

 これらは、「『常識』や『規則』を守るものが評価され、決められた枠組みからはみ出す子は評価されない」教育の結果が数値となって表れたのだと思います。

 決められた規則を、思考停止状態で受け入れ続けた結果が、「社会現象を変えられない」とあきらめる若者を作っているんじゃないかなって思っています。

 

 もちろん私は教育現場の「荒れ」は望んでいません。

 

  けれど、「規則をよりよいものにしていく」行為、例えばフランスのイエローベスト運動や、香港の民主化デモを「暴動」だとは思っていません。(どうもマスコミはそういうイメージを植え付けたいみたいですが)「イエローベスト運動 フリー 画像」の画像検索結果

  話がそれてしまいました。例えば「規則をよりよいものにしていく行為」=「生徒総会等で、校則を考える」が学校ではどんどんできなくなっている感があります。いや、「できなくなっている」のではなく「話し合いでよりよいものを考える場」という発想そのものが無くなっているのかな。

 「職員会議は決定機関ではなく、伝達機関だ」と言われて久しく、若い先生方は、会議で意見を交わし合い、よりよいものを作っていく経験を知りません。

 そして生徒会を指導するのは、そんな若い先生方です。これってなんだか悪循環のような気がします。 

 

 内閣府はそんな日本の若者(子どもたちや若い先生方)に危機感を持っているんだろうに…

 ニュース等でインタビューに応えている香港のデモに参加している子どもたちって、自分の国を本気で大切に思い、「よりよいもの」のために自信を持って参加してるように思えました。

 自分の国を本気で大切に思い、よりよいものを求めて行動した結果、人類は「民主主義」を手に入れました。歴史を学べばそのことが鮮やかにわかります。

 

 日本のこと(目の前のこと)に話を戻しますね。

 よりよい社会を目指すためには、渋谷でハロウィンの日を厳重に警備するだけでなく、学校教育に変革を求めることも大事だって私は思います。

 

 そしたら、目の前の子どもたちが大人になる頃には、大濠花火大会も再開するかもしれないな~(^^)