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「表現力」は、ネット時代になってますます重要④…「数学の先生である私が勧める『百人一首を題材にしたドラマ』」

 「『表現力』は、ネット時代になってますます重要シリーズ」第4弾は、2018年5月にたまたま見たドラマ「未解決の女 警視庁文書捜査官」にビビッときて、書いた通信を紹介します。

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 たまたま見ていたドラマですので「時事ネタ」ではあるのですが、たくさんの子どもたちがそのドラマを見てない場合は「時事ネタ」とは言い難いですね。

 それに2018年5月の時点ではメモだけして、実際に通信にしたのは2018年10月。ドラマは終わっていたので、どちらかというと古文や漢文の学習が始まる時期に発行したい「鉄板ネタ」です。

 それでは2018年10月9日に発行した通信を紹介します。

あらざらむ

 秋休み中、◯◯先生と◯◯先生が後期の古文の授業について打ち合わせをされていました。
 「古今集」、「短歌」、「和歌」…そんな言葉が飛び交っていました。

 その言葉を聞きながらふと春頃に見た刑事もののドラマが、百人一首を題材にしていたことを思い出しました。

 ドラマの中で出てきた百人一首の句は 

かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを(51番)

あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな(56番)

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする(89番)

 私が中学生くらいの頃、お正月に家で百人一首をしていました。
 いや、正確に言うと、当時はテレビゲームがなく(当然スマホとかインターネットとかもありませんでした)、お正月のお笑い番組に飽きた頃、母が買ってきた百人一首くらいしか、娯楽がなかったわけです(家の中だけでのこの流行は2~3年で終わってしまいましたが…)。

 そのときは、札の意味なんて全くわからず、「昔の人が作ったカルタ」って感じで遊んでいました。

 さて現在に話を戻しましょう。

 ドラマは、大学の文学部に所属していて、百人一首を研究している先生とその教え子の女子学生の恋の話でした。

 女子学生が大学の先生に恋をして、その先生に渡した百人一首の札の一枚には

かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを

と書かれていました。
 意味は「こんなにも愛しているのに口に出しては言えない」という忍ぶ恋の歌です。

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 それに対して先生が返した一枚が

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする

でした。
 意味は「このまま生きていると忍ぶ恋がばれてしまう」です。

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 これも忍ぶ恋の歌です。先生は「今はあなたの心に応えてあげられないけれど、あなたが卒業したら必ず応えます」との想いを込めて、この札を送ったのでした。
 渡された女子学生もその想いを受け止め、待つことを決めました。

 刑事もののドラマでしたから、その後、女子学生は事件に巻き込まれて亡くなってしまったのですが、最後に手にした札が

あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな

でした。意味は「せめてもう一度あなたにお会いしたい」です。

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 ドラマでは、3枚の百人一首の札に込められた想いや、その他全ての謎が明らかになり、犯人が逮捕されました。
 そのことを女子学生のお父さんに刑事が報告に行き「お嬢さんはいい恋をしていました」と報告しました。
 切ないお話でした。

 ドラマの内容もそこそこおもしろかったのですが、1000年も前に創られた、たった五・七・五・七・七の31文字で書かれた句が、今でもこんなにも恋心を表わせることに私は驚きました。
 ドラマの中で大学の先生が

百人一首をしっかり学ぶと、1000年以上前の人々も現在生きている私たちも、人を想う心(恋心)は驚くほど変わらないことがわかる」

と話していました。
 私も中3の頃、意味までわかってカルタとりしてたら、お気に入りの恋の札なんかできて、もっと盛り上がってただろうな~。

 後期の国語の授業、楽しみですね(^o^)
 お気に入りの恋の歌、見つけてみましょう♡

 

 「通信のネタをよく思いつきますね~」と同僚から言われたりします。

 そういう方が書いている通信を見ると、文字は小さく、字間・行間も狭く、びっちり書かれていて、読みにくいなぁと感じることが多いです。

 伝えたい内容が3つも4つもあって、それをB4用紙1枚に入れ込みたいからでしょうけど、私だったら3枚か4枚に分けます。

 これだけで、その人の3倍から4倍の通信を書けることになります(笑)

 さらに、テレビ番組や漫画といった子どもたちに身近なものもネタにします。

 

 では、ドラマやバラエティ番組、ラジオなどで「ビビッ」ときたらどうするか。私流の方法を紹介します(^^)

 ドラマとかアニメとかバラエティ番組を見ていて、「おっ」と思ったら手近の紙に題名とキーワードをメモします。このドラマの場合なら「未解決の女 百人一首」みたいな感じです。

 今の時代は、これだけで、後からネット検索すれば、あらすじなんかを見つけることができます。

 あらすじ等をじっくり読んで、自分が「ビビッ!」と来た所なんかをコピペしてメモに貼り付けます。そしてそのメモを、パソコンのデスクトップに作っている「使えるネタ」フォルダに貼り付けておきます。

 後日、「今だ!」と思ったときに通信に書くわけです。

 このブログを読んでくださってる学校の先生、どうぞやってみてください。

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