もへちゃん先生の学級通信の資料置き場

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沖縄慰霊の日 平和の詩 2009

沖縄慰霊の日 平和の詩 一覧

 今日6月23日は、沖縄慰霊の日です。

 過去の沖縄慰霊の日で読まれた「平和の詩」を探したら、ひとまとめになっているサイトがなかったので、ここ「もへちゃん先生の学級通信の資料置き場」にまとめようと考えました。

2009沖縄慰霊の日 平和の詩

平和のいのり
南城市立大里北小学校6年 比屋根憲太


石に刻まれた家族の名に

涙を落とす祖母

なんの形見も残っていない石に

声にならない声で

石をさすり

石をだきしめる

 

小さな声でとても小さな声で

「本当は話したくないサー」

少し首をかしげて

空を見上げる

 

人さし指の大きさの大きな傷

あごと左腕に残る

戦争の傷あと

 

祖母は傷の手当てをするために

水くみに行った

防空ごうに姉を残し

母と二人で

 

そのあとすごい光と音が…

そのまま姉はもどらなかった

 

「いっしょに連れて行けばよかった」

「ごめんね ごめんね」

と何度も何度も

きたときよりも

石を強くさすり

石を強くだきしめる

ぼくはもう声を上げて泣いていた

そして祖母の背中をずっとさすった

 

こんな青い空に

こんなおだやかな沖縄に

戦争は似合わない

 

祖母のくしゃくしゃな涙も

似合わない

 

そんな祖母はもう今は歩くことができない

 

毎日毎日空を見て

きっと

生きている喜び

生き残った悲しみを感じて

いるのだろう

 

ぼくは車いすをおして

祖母のいのりを引きつぐ

 

戦争のない平和な国を