もへちゃん先生の学級通信の資料置き場

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沖縄慰霊の日 平和の詩 2006

沖縄慰霊の日 平和の詩 一覧

 今日6月23日は、沖縄慰霊の日です。

 過去の沖縄慰霊の日で読まれた「平和の詩」を探したら、ひとまとめになっているサイトがなかったので、ここ「もへちゃん先生の学級通信の資料置き場」にまとめようと考えました。

2006沖縄慰霊の日 平和の詩

若い瞳

那覇商業高校3年 池彩夏

 

紺碧の大空に

照り付ける太陽の日差し

アカバナが揺れる坂道を

私は自転車でのぼっていく

 

額からふきだす汗を

グイっと袖でふきとって

ペットボトルに手を伸ばす

 

コポコポと音をたてて

喉を潤していく水に

米軍の戦闘機が映り

入道雲のかなたに消えてった

 

私はそれを横目で見ながら

ペダルに再び足をかけ

自転車をこぎだした

 

戦後61年

いまだに居据わる米軍基地は

私達の生活になじんで

風景の一部となった

 

米軍の戦闘機は

耳をつんざく爆音を落とし

勝手気儘に飛びまわっている

 

いったいぜんたい

沖縄戦はどこに消えたのか

 

自転車のハンドルを握る手に

不思議と力が入る

 

本当に

本当に戦争は風化しているのか…

もし風化しているのなら

なぜ私はこんなにも

我武者羅に自転車をこぐのだろうか

ただ米軍の戦闘機を見ただけで…

 

強い逆風をうけながら坂道を下る

 

カーブを曲がるため

軽くブレーキをかけた

少しずつスピードが落ちていく

 

こんなふうに

時代の流れにも

ブレーキが使えたらいいのにと思う

 

もしかしたら

そのブレーキになれるのは

他ならぬ

私達のような若者なのかもしれない

 

私達が持っている瞳の先は

何よりも強く

真っ直ぐ

沖縄をみつめているのだから