合唱コンクールをはじめ、順位をつける行事では金賞(最優秀賞、1位…)を獲れないことはよくあります。というより、金賞を獲れる方が少ないのかもしれません。(私は、「金賞をよく獲る担任」だと自負していますが(^^))
自負していても、金賞を獲れなかった年はもちろんあります。
私のプロフィールにも書いていますが、座右の銘の1つに「信じればかなう」があります。自分の中ではこの言葉の裏バージョンとして「悔しさはバネになる」って言葉も大切にしています。
目標を達成できなかったときこそ、「悔しさはバネになる」を伝える絶好の機会だと思っています。
今回、紹介するのは2006年10月30日、中学2年生の担任をしていて、金賞も銀賞も獲れなかった合唱コンクール直後に発行した学級通信です。
破れたことから学ぶ
記録109
昨日は「合唱コンクール」でした。
自分的にはとても良くできていたと思ったんですが、惜しくも金賞、銀賞を逃しました。すごく残念です。練習をあんなにがんばったのに…
もう2年4組のみんなとは歌えないけど、来年こそはがんばって金賞を獲りたいです。
記録110
なんかさみしい気分です。
金賞、とれませんでした。メッチャ残念です。あれだけ練習してきたのに…金賞とりたかった。
約1ヶ月、取り組み続けた合唱コンクールが終わった。
◯◯くんや◯◯さんが書いているように、練習はすごくがんばった。
僕自身は、ひいき目かもしれないけど、2年の中では4組が一番、練習に真摯に取り組んだと思っている。 ※真摯…まじめで熱心なこと。また、そのさま。
「小さくまとまるな」僕は練習中にそう言った。
そして君たちはそれに反応した。
記録111(10/17の記録)
保護者からの手紙がとてもよかった。
あと10日がんばろう☆☆
記録112(10/13の記録)
だんだん合唱コンが近づいてきてマス。
私はこのクラスで優勝したいし、1回だけでも優勝したいです!!
だから、練習のトキも緊張感を忘れずにしたら、少しでも本番でちゃんと歌えるかなぁと思いました。
だから実行したいと思います。
記録113(10/23の記録)
合唱練習で一生懸命歌った。とても気持ちよかった。
練習中、鳥肌が立つほどの歌声を何度か聞いた。
それを本番のステージで出すため、さらに練習してきた。
そして「『練習のしすぎ』、『声を出したいとがんばりすぎ』での伸び悩み」というスランプに陥った。
記録114
2年の前に発表された1年生の合唱、特に1組の「明日に渡れ」には鳥肌が立った!!「1年、レベル高っ!」と思った。しかもトップバッターで!!!
2年4組が歌い終わり、何かがスッキリしなかったなぁー。
2年1組の「天馬~」を聞いた時「あ…」と思った。他のクラスも「1組が金賞やない??」って言ってたので、結果発表もドキドキしなかった。
最初とばしすぎたカナ?? 声が出なくなってしまった。力、入れすぎてしまった。もうしわけないと思う。
3年の金賞クラスみたいに来年はなりたい!!! 合唱祭、行きたい!!!
金賞とれんかったけど、このクラスで金賞ねらって練習したことは思い出になったし、本当に2の4で青葉の歌をうたえてよかった!!! たぶんどのクラスがうたうより2の4が一番「青葉」が似合うクラスだと思う。
スッキリしない何か
結局、練習ではスランプを克服できないまま、ステージでの本番の一発勝負にかけて…、やっぱりうまくいかなかった。
それがスッキリしない何かの一つではないだろうか?
けれど「小さくまとまるのではなく、それぞれが最高の歌声を出し、それをハーモニーにしあげようとした」…その試みの方向は正しい! この方向でスランプを乗り切った先に待っているのが3の4のような合唱だったのだ。
3の4のあの歌声こそ、僕らが求めた姿だ。
今回のうちの取り組みで、あの高みに至らなかったのは、当然と言えば当然ではないだろうか。
- 練習は完璧だったか。
- 男女間の協力、いや男女と分けることないか、一人ひとりの協力体制は完璧だったか。
- 意欲は完璧だったか。
意欲を高めるための学級記録、「がんばればあと3号は出せていた」と僕は自省する。
まだまだやれることがあった! きみはどうだろう?
2年生の合唱コンクールは、破れたからこそ学ぶものの多い合唱コンクールとなった。
音楽に疎い私ですので、技術的なふりかえりはできません。できるのは、やはり「悔しさをバネにしよう」、「来年は、あの3年4組みたいな歌声を目指そう」って伝えることぐらいしかできません。
子どもたちに「悔しさを噛みしめ、まだ何かできたのではないか考えよう」と問いかけるうちに、自分自身にも足りなかったことに気づいてしまいました。「がんばればあと3号(学級通信を)出せていた」の部分です。
そして次の年、私自身もバネにしました(^^)。
この次の年とは、もへちゃん学級が「20億光年の孤独」で金賞を獲った年。前回、前々回のブログで紹介した年です。
前々回…行事「合唱コンクール」、終わった後が大事だと思います① - もへちゃん先生の学級通信
前回…行事「合唱コンクール」、終わった後が大事だと思います② - もへちゃん先生の学級通信
『学び合い』の考え方で、合唱コンクールの指導が得意になった私ですが、この頃はまだ『学び合い』に出会ってませんでした。
それでも私自身は「金賞をよく獲る担任」だと自負していました(^^)。
どうしていたか?
「口開けろ~」「声出せ~」という根性論にプラスして、学級通信で雰囲気を盛り上げるってやり方をしてました。
このやり方でも、かなり子どもたちの充実感を引き出すことはできてましたが、『学び合い』に出会い、
- 根性論(やっぱりあるんかい!?ってツッコミが聞こえてきそう 笑)
- 学級通信で雰囲気up
- 『学び合い』の考え方で、合唱指導
これら3つを組み合わせて、盤石の指導体制を引けるようになりました。
しかし、振り返ってみれば、この頃『学び合い』の考え方での指導を知りませんでしたが、「来年は、あの3年4組みたいな歌声を目指そう」ってのは、『学び合い』の考え方での合唱指導に近かったんだなぁ。
まだ『学び合い』の考え方での合唱指導を読まれてない方は合唱指導(必勝法) - もへちゃん先生の学級通信にあります。