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合唱曲「決意」の歌詞の深い意味

 「歴史上の人物や偉人で尊敬している人」ランキング1位は坂本龍馬だそうです。

かく言う私も、桂浜に行ったときは、海を見つめながら日本の行く末を考えたりしました(笑)

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日本を今一度せんたくいたし申候

 日本人に人気絶頂の坂本龍馬ですが、実は作家・司馬遼太郎さんが小説「龍馬がゆく」を書くまではほとんど無名だったとか。小説家ってすごいんですね。

 実はこの夏、電子出版に挑戦しましたが半分ほど書いたところでタイムアップ(^_^;)

小説家を気取って、Joyfulで4~5時間、原稿を書いたりしてたんだけどな~。続きは冬ですね。

 さて、今日紹介する合唱曲「決意~21世紀に生きる君たちへ~」を作詞したのは、なんとその司馬遼太郎さんです。

 どんな深い意味が込められているのでしょうか。

 

 では、合唱シリーズ第6弾、2018年の3年6組の自由曲「決意~21世紀に生きる君たちへ~」について書いた通信を紹介します。

 

3年6組「決意~21世紀に生きる君たちへ~」

                作詩 片岡 輝 
               作曲 鈴木 憲夫
 あなたの声に
 耳を澄まし
 あなたの心に
 ほとばしる愛を知る
 歴史を愛し、自然を敬い
 他人に優しく
 自分に厳しかったあなた
 先を歩いていったあなたの後ろ姿に
 人間としてのあるべき
 生き方を学ぶ
 生き方を学ぶ

 今 私たちは
 あなたの残したものを
 受け継いで
 未来への一歩を
 踏み出す 踏み出す
 緑の地球にあまねく
 平和と幸せを
 届けるために 

 合唱曲「決意」は、歴史作家・司馬遼太郎さんが書いたエッセイ「二十一世紀に生きる君たちへ」に基づくメッセージソングです。
 みなさんにはあまりなじみのない司馬遼太郎さんかもしれませんが、私より年齢が上の人、例えばあなたの爺ちゃん婆ちゃんたちに聞いたら「ほぉ~すごいねぇ」と言われるほど有名な作家です。

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司馬さんが、初めて坂本龍馬の小説を書いたことで、日本人は龍馬好きになったそうです

 ではそのエッセイの一部を紹介しますね。

 人間は、決して孤立して生きられるようにはつくられていない。このため、助け合う、ということが、人間にとって、大きな道徳になっている。
 助け合うという気持ちや行動のもとは、いたわりという感情である。他人の痛みを感じることと言ってもいい。やさしさと言いかえてもいい。
 「やさしさ」「おもいやり」「いたわり」「他人の痛みを感じること」みな似たような言葉である。これらの言葉は、もともと一つの根から出ている。
 根といっても、本能ではない。だから、私たちは訓練をしてそれを身につけねばならない。
 その訓練とは、簡単なことだ。例えば、友達がころぶ。ああ痛かったろうな、と感じる気持ちを、そのつど自分でつくりあげていきさえすればよい。この根っこの感情が、自己の中でしっかり根づいていけば、他民族へのいたわりという気持ちもわき出てくる。
 君たちさえ、そういう自己をつくっていけば、二十一世紀は人類が仲良しで暮らせる時代になるにちがいない。(略)
 もういちど繰り返そう。さきに私は自己を確立せよ、と言った。自分には厳しく、あいてにはやさしく、とも言った。それらを訓練せよ、とも言った。それらを訓練することで、自己が確立されていく。そして、”たのもしい君たち”になっていく。
 君たち。君たちはつねに晴れ上がった空のように、たかだかとした心を持たねばならない。
 同時に、ずっしりとたくましい足どりで、大地をふみしめつつ歩かねばならない。
 私は、君たちの心の中の最も美しいものを見続けながら、以上のことを書いた。
 書き終わって、君たちの未来が、真夏の太陽のようにかがやいているように感じた。

 君たちさえ、そういう自己をつくっていけば、二十一世紀は人類が仲良しで暮らせる時代になるにちがいない。

 この文章から、「戦争を経験した司馬さんは、戦争のない平和な世界を誰よりも望んだ作家のひとりなんだ」と私は感じました。
 だからこの歌はきっと、優しさと厳しさを求め、さらに平和を求めているのです。


 私は、君たちの心の中の最も美しいものを見続けながら、以上のことを書いた。
書き終わって、君たちの未来が、真夏の太陽のようにかがやいているように感じた。
 大人たちの中には、意地悪な人もいれば差別を平気でする人もいます。そんな人は戦争をも認めるようになっていくかもしれません。21世紀をまかせるのはそんな大人ではなく、まぎれもないあなたたちなのです。あなたたちの力で未来を太陽のように輝かせて欲しいです。あなたたちの歌声で、体育館中に感動を届けてください。

 21世紀を待つことなく司馬さんは1996年に亡くなりました。
 司馬さんは「君たちの心の中の最も美しいもの」に問いかけました。心の美しいあなたたちにこそ21世紀を任せたのです。
 任せて大丈夫ですか?明後日の合唱も、これから先の人生でもベストを尽くすことはできますか?いやきっとあなたたちならできるに違いありません!

 さて、合唱曲「決意」を聞いて、そしてエッセイ「二十一世紀に生きる君たちへ」を読んで、ふと思い出したことがあります。
 私は高校のバレーボール部時代、とても好きでとても尊敬する先輩が2人いました。
 1人は「自分に厳しく、まわりにも厳しいキャプテン」、もう1人は「自分に厳しく、まわりに優しい副キャプテン」です。
 私はその2人にすごく憧れました。そしてその先輩たちが先生の道を選んだことにとても影響を受け、今の自分がいます。
 「その人のことを思うと、きついときに、がんばらなければと思える」そんな2人です。
 「決意」の中に出てくる「あなた」とは、私の中ではその2人です。

 3年6組の歌声が、21世紀を切り拓くとともに、下級生たちにとって「あんな先輩みたいになりたい」と響くことを期待します。あと1日、楽しみです。

 

 司馬遼太郎さんが求めた社会、それは「助け合う社会」です。

 私は、『学び合い』の考え方に根ざした授業にとりくんでいます。ただの学び合いではなく、二重カギ括弧で囲まれた学び合いです。どう違うのか…おいおい語っていきましょう(^^)

 ちなみに私は授業中「仲間を誰1人見捨てるなよ~」としょっちゅう話しています。それが『学び合い』の大事なところなんです。